隣地が共有地である場合、協議の相手方は?

境界を確定する際、対象となる隣地が共有地である場合があります。
このような場合、協議すべき相手はどこまで含まれるのでしょうか?
今回は、隣地が共有地である場合の協議の相手方について解説します。

事例

Cは、祖父が所有していた山林を相続した。
相続した山林の境界を調査したところ、 隣地との境界が不明確であることが判明した。
隣地は近隣に居住するAと遠隔地に居住するBの共有になっている。Cが境界について協議すべき相手方は誰か?

回答:共同所有者全員を相手にして訴えを提起する

共有地の境界確定に関しては、法的手続きを遵守することが重要です。
土地は物理的につながっており、登記制度によって所有権が管理されています。
一筆の土地と接する部分が境界です。実際の土地上では境界石や境界木などを設置して明確にします。相続などがあると、境界がわからなくなり紛争に発展することもあります。そのため、相続を機に確認することが望ましいでしょう。

その場合、近隣の話し合いは容易ですが、Aだけでなく共有者全員と協議する必要があります。Aと協議しても、Bに主張する機会がなくなるため、全員が合意することが重要です。話し合いから現地の境界石の確認や設置などを行う際には全員が必ずしも同席する必要はありません。しかし、最終的な合意は全員が必要です。

万が一、話し合いがまとまらない場合には「境界確定訴訟」を提起することになります。この場合もAだけでなく関係する所有者全員が訴訟の当事者となります。訴訟は原則として被告の住所地を管轄する裁判所に提起されます。しかし、AとBの住所が異なる場合でも、どちらの住所地でも提起が可能です。また、土地に関する訴訟は問題となっている土地を所轄する裁判所にも提訴が可能です。
手続の開始‐訴えの提起 | 裁判所 (courts.go.jp)

まとめ

共有地の境界確定は法的手続きを遵守し、全ての関係者が合意することが重要です。
現地の状況を正確に把握し、話し合いや訴訟を通じて境界を明確化することで、共有地を適切に管理することができます。
また、境界線は所有権の最重要な要素であるため、不確定のまま放置することなく明確に定めることが重要です。

最後に

今回は隣地が共有地である場合の協議の相手方について解説しました。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が境界関係について学びたい方の参考になれば幸いです。

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