処理と処分は異なる概念?【産業廃棄物収集運搬】

産廃業に関わるうえで、混乱しやすい概念があります。
それが処分と処理です。
日本語的にはどちらも①「物事をとりさばいて締め括りをつけること」という意味が共通します。
ただし、処分はその他に②「物を捨てたり、売ったりする」、③「罰する」という別の意味が存在します。
産廃業における処分・処理は②の意味で使われていることは明らかでしょう。
では、産廃業でこの2つは同じ意味で使われいるのかというと、全く違う概念なのです。

今回は混乱しやすい2つの言葉の意味の違いについて解説します。

産廃業における「処分」

「処分」とは、中間処理と最終処分の2つの総称です。
(既にこの段階で処理と処分が混在しているじゃないか!とは言わないようにしましょう)

中間処理とは

中間処理とは、排出業者から運搬されてきた廃棄物を焼却・融解・破砕・圧縮・肥料化等を行うことです。
当然ですが、この段階ではまだ廃棄物は消滅していません。
焼却や破砕をして、灰や微細な塵になっただけです。
すなわち、元の形状から別の形状に変化しただけです。
これは「中間」処理だから当たり前ですね。
ここから先の作業が最終処分になります。

最終処分とは

最終処分とは、中間処理された廃棄物を埋立て・再生・海洋投入することです。
これによって廃棄物は完全に消滅します。
なお、代表的なものは埋立てだと思いますが、実際に最も多いのは再生です。
例えば、破砕後の鉄やアルミは再生されて何度でも甦ります。

産廃業における「処理」

「処理」とは上記の中間処理と最終処分に収集運搬(保管を含む)を加えたものです。
すなわち、「処理」は排出業者が廃棄物を排出した以降の全ての行為の総称なのです。

まとめ

分かりやすく上記の概念をポンチ絵にすると以下のようになります。

処理と処分の違い

いかがでしょうか、産廃業における処理と処分の違いが大まかにご理解いただけたでしょうか?
こうやって見比べると、日本語の意味合い的には処分>処理の順で意味の種類が多いのですが、産廃業ではそれが逆転しています。ややこしいですね。
せめて、個人的には中間処理は中間処分に改名したほうが日本語的にも意味が通る気がしますが…

今回はこれで終わります。
この記事が産廃業についてもっと知りたいと考えられている方の参考になれば幸いです。

また、この他にも有益な情報を逐次投稿しております。よろしければ他の記事もご覧ください。
投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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